2006年10月06日

償いの日々 一瞬で失う物の大きさ

「ドン」という音で全てが無くなってしまいました。
ハンドルが取られ車が右に流れて惰性で進んでいました。
その日は土曜日で仕事の半分が片付き、友人、従業員とともに食事に行きました。
そこで生ビール、日本酒、焼酎などを飲み、次の現場の話や何かかやで盛り上がりました。
次の日が休みということもあり2次会でスナックに行くことになりました。
朝の集合場所まで行き、それぞれの車でスナックに向かいました。
私が運転を始めたのはそこからです。
友人2台の間で私は真中を走行していました。
なれた道だし時間も早いので大丈夫だという甘い考えで運転を始めたのです。
それから約10分後、私は人を跳ねてしまったのです。
ぶつかった瞬間、何が起こったかわかりませんでした。後ろについてきた友人の携帯に電話をかけ「今何かにぶつからなかったか?」と聞きました。
返事が「何も無いよ」ということだったので少し車を進めましたが、事故現場から数百メートル先で車を降り、車を確認しました。
車の損傷した位置から「あー人かな、そうじゃなければいいけど、酒飲んでるし・・」。
自分に都合の良いほうへ考え、現実を認めなくない気持ちにおされ、その場を去ってしまいました。
それでも気になっていたので、スナックの女の子と友人が事故現場を見に行ってくれました。
そこにはパトカーが何台か来ているという報告を聞き、やはり私は人を跳ねてしまったのだ。
なぜあのとき、すぐに止まって確認しなかったのかと後悔しました。
自分の人生の先行きを考えたとき、全てが終わったような気がしました。
そして、自ら警察に出頭し取り調べを受けているときに、被害者の方が亡くなられたと聞かされ、私も死んでお詫びをしなければならないと思いました。
被害者の方は単身赴任から地元に帰られご両親と暮らされたところだったそうです。
これからようやく親子水入らずで仲良く過ごせるだろう日々を、私の身勝手な行動で奪い取ってしまったのです。
その後、1年余りあとには被害者のお母様まで亡くなられたそうです。
これは私の起こした事故により息子に先立たれた心労や淋しさの積み重ねによるものと思われます。
二重の被害を与えたことになってしまいました。
残されたお父様やご兄弟の方々になんと言ってお詫びしたらよいやら、ただただ深く陳謝するのみです。
家族を失った人の心の傷は計り知れず深く思いものだと思います。
被害を与えているのは何も被害者の方々だけではありません。
私の家族、友人、知人、仕事関係の方々にも被害を及ぼしています。
私の場合、車、免許、家、その他、何もかも失うでしょう。
その中でも一番大きいのは人からの信用、信頼だと思います。
物は金銭で手に入れることはできます。
しかし、人の気持ちや信頼関係は金銭では補えないのです。
たった一瞬の不注意、酒という度を過ぎれば「キチガイ水」になってしまう飲み物のせいで失う物は大きいです。
後悔先に立たずといいますが、起こしてしまってからでは遅いのです。
飲んだら乗らない、乗るなら飲まなければ良いのです。
自分の気持ち次第です。
私は懲役2年2月の判決を受けて、受刑生活の中で反省の日々を送り、ルールを守る大切さ、ルールは弱者のためにあるということを学びました。
現在残り数週間で仮釈放になりますが、社会に出てからまず、ご遺族にお詫びに行き自分の出来ることを精一杯して償うことを決心しています。
そして、いままで自分の代わりに謝罪をしてくれた家族にも感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいと思います。
幸いに被害者のお父様は寛大な方で、私の家族が伺った際も快くお線香を上げさせてもらっているようで、それがせめてもの救いです。
今後、自分が謝罪に伺ったときにどう対応されるかわかりませんが、精一杯のお詫びと償いの気持ちは伝えようと努力したいと思っています。
償いは一生のことです。人の命を奪ってしまった代償は一生かかっても償えきれるものではないでしょうが、何かをやっていかなければいけないのです。
今回の事故は偶然おきたものではありません。
私の自己中心的な行動から起きたものです。
私のような自分勝手なものがいる限り交通事故はなくならないのではないでしょうが、交通弱者と言われる方々も自分の身は自分で守るという意識をもったいただけたらと思います。
今後も被害者の方のご冥福を祈りつつ「自戒奉世」の意を胸に生きていきたいと思います。


(財)東京交通安全協会発行
償いの日々
交通事故はもうたくさんから転載
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posted by Safe-driving at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 交通刑務所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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